子連れ飛行機は前方・後方どちらがいい?CAママが教える座席の選び方

子連れ飛行機座席の選び方 座席選び

子連れで飛行機に乗るとき、「どの座席を選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

「前方と後方なら、どちらが過ごしやすい?」
「窓側なら子どもが喜びそう。でも、通路側のほうが動きやすい?」
「赤ちゃん連れでも選べない席はある?」

まず、お伝えしたいことがあります。

座席選びに、すべての家族に共通する正解はありません。

子どもの年齢や性格、乗る時間、家族の人数によって、過ごしやすい場所は変わります。また、座席配置や化粧室、バシネットの位置なども、航空会社や機材によって異なります。

この記事では、CAとして機内で多くのご家族を見てきた経験と、私自身が子どもと飛行機に乗ってきた体験をもとに、子連れで座席を選ぶときのポイントをまとめます。

※座席やサービスの利用条件は、航空会社・機材・路線によって異なります。予約時には、実際に搭乗する航空会社の座席表と最新の案内を必ずご確認ください。

先に結論|子連れにおすすめの座席は状況で変わる

迷ったときは、次の考え方を目安にしてください。

家族の状況 選び方の目安
揺れや乗り物酔いが心配 翼付近を候補にする
抱っこで立つ、トイレへ行く回数が多い 通路側
外の景色や飛行機が好き 窓側
広い座席に座りたい 前方の上位クラス(ファーストクラスなど)
化粧室へ行きやすくしたい 化粧室から数列離れた通路側
3席を家族3人で使う 子どもを窓側、大人を通路側
4人家族で3席並びの機材に乗る 3席を家族で取り、もう1人は通路を挟んだ隣
バシネット(ベビーベッド)を使いたい 対応座席を事前に航空会社へ確認・予約

「子連れだから必ず後方」「景色が見えるから必ず窓側」と決めるのではなく、今回のフライトで何を優先したいかを一つ決めると、選びやすくなります。

前方・翼付近・後方、子連れにはどこがいい?

揺れが心配なら、まず翼付近を候補に

飛行機は重心を中心に動くため、一般に機体の前端や後端より、翼付近のほうが上下の動きを感じにくい傾向があります。特に乗り物酔いをしやすい子どもや、酔うと吐いてしまう心配がある場合は、翼付近を候補にするとよいでしょう。

ただし、揺れ方は天候や飛行ルート、機種などにも左右されます。「この座席なら絶対に揺れない」という場所はありません。

翼付近は窓からの景色の一部が翼で隠れますが、飛行機が好きな子にとっては、それも楽しみの一つです。我が家の上の子は翼を見るのが好きで、離着陸時にフラップが動く様子を真剣に見ています。フラップは、低速で飛ぶ離着陸時に翼の形を変え、必要な揚力を得るための装置です。窓から見える機体の動きをきっかけに、子どもと「飛行機はどうやって飛ぶのかな」と話すのも楽しい時間になります。

広い座席を選びたいなら、前方の上位クラス

前方には、ファーストクラスやビジネスクラス、プレミアムクラスなど、普通席より座席幅や前後の間隔に余裕のある上位クラスが配置されている機材があります。子どもを抱っこして過ごす時間が長い場合や、家族でゆとりを持って座りたい場合には選択肢になります。

ただし、すべての前方座席が広いわけではありません。座席の広さを優先したい場合は、座席表やシート仕様を確認し、上位クラスを選びましょう。前方の席は、時間帯や路線によって、お仕事でご利用のお客様が多いこともあります。

子どもの声や、抱っこなどで席を立つことが気になりそうで、ほかの条件に大きな差がなければ、私は後方座席をおすすめします。化粧室へ動きやすく、家族連れが多い便では、保護者側も少し気持ちを楽にして過ごしやすいためです。

リゾート路線などでは、前方・後方を問わず家族連れが多い便もあります。

後方座席が向いている家族

後方は化粧室が近い機材が多く、子どもの急な「トイレに行きたい」に対応しやすいのがメリットです。JALの国内線案内でも、後方は急いでいる利用者が比較的少なく、化粧室へ行きやすい場所として赤ちゃん連れに案内されています。

ただし、化粧室のすぐ近くは、人の行き来や、ドア・水を流す音などが気になることもあります。
後方を選ぶ場合も、化粧室の真横ではなく、数列離れた通路側が使いやすいことがあります。

窓側と通路側、どちらが過ごしやすい?

窓側|景色や飛行機を楽しみたい子に

窓側は、離陸や着陸時に街や海、山などの景色を楽しめることが魅力です。外を見ることで状況を理解しやすくなり、安心できる子もいます。長距離路線では、運がよければオーロラなど思いがけない景色に出会えることもあります。

ただし、見たい景色が必ず見えるとは限りません。天候や雲、当日の飛行経路によっては、富士山などが予想していた側に見えないこともあります。上空では日差しが強く、まぶしさを感じる場合もあります。

「景色が見える保証」ではなく、窓の外を見る時間そのものを楽しめそうか、という基準で選ぶのがおすすめです。

通路側|抱っこやトイレで動くことが多い家族に

0〜1歳ごろの子どもと乗る場合や、抱っこであやす可能性がある場合は、通路側が便利です。化粧室やおむつ替えに立つとき、隣のお客様に席を立ってもらう必要がありません。

ただし、ベルト着用サインが点灯している間は、あやすためであっても歩かず、着席して安全を確保することが基本です。

通路側では、子どもの足や手、頭が通路へ出ないように注意してください。人やサービスカートが通り、熱い飲み物を扱うこともあります。特に子どもを膝に抱いていると足元を見落としやすいため、座るたびに確認すると安心です。

3席を家族で使うなら、子どもは窓側・大人は通路側

窓から通路までの3席を家族で使う場合は、景色を楽しみたい子どもを窓側、対応しやすい大人を通路側にすると動きやすくなります。食事や飲み物の受け渡し、化粧室への付き添いもしやすい配置です。

長時間のフライトでは、途中で大人が席を交代し、一人だけに負担が偏らないように休む時間をつくることも大切です。

座席表だけでは分かりにくい、子連れの注意点

非常口座席は子ども連れが利用できない場合がある

非常口座席では、緊急時に乗務員の指示を理解し、脱出の援助を行うことが求められます。そのため、子ども本人だけでなく、幼い子どもの介助が必要な大人も利用条件を満たさない場合があります。

年齢や条件は航空会社で異なるため、予約画面と航空会社の案内を確認してください。

最前列や壁の前は、肘掛けが上がらないことがある

座席の前が壁になっている最前列、いわゆるバルクヘッド席では、テーブルやモニターが肘掛けの中に収納されていることがあります。このタイプは中央の肘掛けを上げられず、隣り合う座席を広く使うことができません。

「家族で横並びだから肘掛けを上げたい」と考えている場合は、予約前に座席仕様を確認しましょう。

バシネットは使える場所・期間が限られる

機内用ベビーベッドのバシネットは、取り付けられる座席が限られています。利用できる体重や年齢、サイズ、予約期限も航空会社によって異なり、数にも限りがあります。希望する場合は、座席を予約する前後に航空会社へ申し込むのが安心です。

バシネットを予約できても、離着陸時やベルト着用サイン点灯中は使用できません。また、機内の物音や明かり、慣れない寝床によって、赤ちゃんが寝てくれないこともあります。「予約できたから必ず休める」とは考えず、抱っこで過ごす可能性も含めて準備しておきましょう。

個人的には、1〜2時間ほどの国内線なら、使える時間が短いため必須ではないと感じています。ただし、初めて赤ちゃんと大人1人で乗る場合(いわゆるワンオペ搭乗)など、少しでも手を離せる時間が助けになるケースもあります。家族の状況とフライト時間に合わせて判断してください。

私が歩く前の1歳児と3歳児を連れて約14時間のフライトを一人で乗り切ったとき、1歳の子はバシネットを利用せず、抱っこの向きを変えながら過ごしました。長距離ワンオペフライトについては、別の記事で詳しくご紹介する予定です。

化粧室の近さだけで決めない

子どもの急なトイレに備えて、化粧室の位置を知っておくことは大切です。一方で、近すぎる席には次のような点があります。

  • 人の往来や待ち列が多い
  • ドアや水を流す音が聞こえやすい
  • 夜間も明かりが入りやすい
  • 子どもが大きな洗浄音を怖がることがある

また、おむつ交換台はすべての化粧室に付いているとは限りません。航空会社の機材案内や座席表で確認するか、搭乗後に客室乗務員へ尋ねてください。

膝上の赤ちゃんが2人いる家族は酸素マスクの数に注意

大人2人が、それぞれ膝に赤ちゃんを抱いて乗る場合、同じ座席ブロックや同じ列に4人全員で座れないことがあります。

これは、緊急時に使用する酸素マスクの数が座席区画ごとに決まっているためです。たとえば2席に対して予備を含む3人分のマスクしかない区画では、大人2人と膝上の赤ちゃん2人、計4人で使用できません。

その場合は、大人と赤ちゃんの組を通路の反対側に分ける、または前後の列に分かれるなどの座席変更が必要です。具体的な制限は機材によって異なるため、赤ちゃんが2人いる場合は予約時に航空会社へ確認しましょう。

膝上で乗れる年齢でも、子どもの座席は確保できる

運賃規則上は膝上で搭乗できる年齢でも、子どものために1席を購入できる場合があります。追加運賃は必要ですが、長時間のフライトや、抱っこだけでは負担が大きい場合には選択肢になります。

子ども用座席を使う際は、年齢や体格に応じてチャイルドシートが必要になる場合があります。自分のチャイルドシートを持ち込める航空会社もあれば、条件付きで貸し出しを行う航空会社もあります。

持ち込む場合は、認められる規格、メーカー、サイズ、取り付け方向、設置できる座席が細かく決められていることがあります。直前に使えないと分かるのを避けるため、早めに航空会社へ確認してください。

4人家族はどう並ぶ?

4人家族なら「3席+通路を挟んだ1席」

3席ずつ並ぶ機材に、大人2人と1人1席が必要な子ども2人で乗る場合は、3席のブロックを子ども2人と大人1人で取り、もう1人の大人が通路を挟んだ隣に座る配置がおすすめです。

2人ずつ前後に分かれる方法もありますが、それぞれの列の残り1席に別のお客様が座る可能性があります。3席を家族でまとめると、子どもが窓側から化粧室へ動くときや、食事・飲み物を受け取るときに対応しやすくなります。通路を挟んだ大人も、必要なときにすぐ手伝えます。

なお、座席下の荷物や脱いだ靴は、通路にはみ出さないように整理してください。頭上の収納棚は座席ごとの専用スペースではないため、機内で使うものは小さなバッグにまとめ、前の座席下へ収まる量にしておくと便利です。

年齢・状況別のおすすめ座席

0〜1歳|通路側を優先

抱っこ、おむつ替え、ミルクなどで動くことが多いため、通路側が便利です。バシネットを使う場合は、利用条件と対応座席を早めに確認しましょう。

2〜3歳|トイレへの動きやすさを優先

急にトイレへ行きたくなる年齢です。化粧室から数列離れた通路側なら、動きやすさと落ち着きやすさのバランスを取りやすくなります。

4〜5歳以上|子どもの興味も座席選びに取り入れる

景色や飛行機が好きなら窓側、トイレが心配なら通路側など、子どもと相談して決めるのもおすすめです。自分で選んだ座席が、フライトを楽しみにするきっかけになります。

乗り物酔いが心配|翼付近を候補に

翼付近を候補にし、必要であれば医師へ事前に相談しましょう。袋、着替え、ウェットティッシュなども、すぐ取り出せる場所へ入れておくと安心です。

予約前に確認したいチェックリスト

  • 搭乗する便の機材と座席表
  • 化粧室とおむつ交換台の位置
  • 非常口座席の利用条件
  • 最前列の肘掛けが固定式か
  • バシネットの対象年齢・体重・予約期限
  • 膝上の赤ちゃんが複数いる場合の座席制限
  • チャイルドシートの規格と取り付け条件
  • 家族全員の座席が離れていないか
  • 機材変更時に座席が変わる可能性

まとめ|「子連れだからここ」ではなく、今回の優先順位で選ぼう

子連れの座席選びには、家族全員に共通する正解はありません。

  • 酔いやすさが心配なら翼付近
  • 抱っこやトイレで動くなら通路側
  • 景色や飛行機を楽しみたいなら窓側
  • 広い座席に座りたいなら、前方の上位クラス
  • 化粧室を使いやすくしたいなら、近すぎない通路側

このように、子どもの年齢や性格、家族の人数、フライト時間に合わせて考えることが大切です。

座席表だけでは分かりにくい制限もあるため、バシネット、膝上の赤ちゃん、チャイルドシートを利用する場合は、早めに航空会社へ確認しておくと安心です。

完璧な座席を探すよりも、「今回の家族にとって何が一番大切か」を決めること。それが、無理の少ない座席選びにつながります。

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座席を決めたら、耳抜きや機内での準備も確認しておくと安心です。

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